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2016.09.25

最高の理解者

高齢者の施設で仕事をしていると、日々いろいろなことが起こる。
なかでも、もっとも辛いのは「永遠にお別れすること」。
水仙の家に異動になってから、何人の方を見送っただろうかと思う。

そして、もう一つ起こるのは、
通りすがりの人たちの「ピンチ!」に遭遇すること。
道で高齢の女性が転倒したとか、気分の悪くなった人が訪れるとか、
帰りがけに自転車同士の衝突に遭遇し、転倒した男性が心配で119番通報したことも。

もう数ヶ月前のことになるが、
駅の改札口で明らかに「自分の行くべき方向が分からない」とおぼしき高齢女性を
見かけたことがある。
なぜか、帰りがけに事件に遭遇する私なのである。
その人は改札口を切符や定期を使わずに通ったと思ったら
すぐに引き返してきた。
出てすぐのところで立ち尽くすその姿に、思い切って声をかけた。
聞くと家に帰る方法が分からない様子。
いろいろと説明しながら水仙の家まで来ていただき、
警察に連絡をとって家が分かった。

「ああ、良かった」と安堵するや否や、脳裏に浮かぶのは
お腹をすかせて家にいるであろう息子のこと。
今日は、こんなに遅くなる予定ではなかったので
夕飯の支度をしてきてはいなかった。
遅くなるとの連絡を入れ、我慢できなければ
冷凍庫に入っている非常用の焼きおにぎりでも
食べておくようにと伝える。

会議などの予定があり配偶者も帰宅が遅い時には
夕飯用のおかずを作ってから出かける。
息子が小さい頃は、
一人ご飯が続くと「今日も一人で食べるのか」と言われて胸が痛み、
逆に「大丈夫、もう慣れたから」と言われても辛かった。

高校生になった今は、食事の心配さえなければ
むしろ一人の方が気楽でいいようだが。

道に迷った女性を保護した夜、
帰宅して「ああ、疲れた」のため息をついた私に
「どうしたん?」と息子。
「ちょっと、いろいろあって・・・」と私。
すぐに、
「あっ、分かった。でも、言うと母さんよけいに悲しくなるから言わない」と息子。
「えっ、なに?」と問うた私に
「誰か亡くなったんかなと思った」と。

違う違う、と事情を説明しながら
最高の理解者やん、我が息子くん!
ほっこりと和む贈り物をもらったような気になった。



by Tam

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